時間は進む

知人が自殺した、という話をお酒の席で聞いた。特別親しい訳ではなかったが、何度も顔を合わせたり会話をしていた人で、身近にいた人が自殺をしたのは僕にとって初めてだった。

ショックは大きく、その時の状況を聞いたり、周りの仲間、残された家族のことを考えぐるぐると頭を回していた。

しかし結局僕が何かできる訳でもなく、話題も次の一杯と共に別に移っていった。

その後も移ろう会話の中で笑いながら酒を呷り、何事も無く帰宅した。

布団の中でまたその人の事をあれこれ思い浮かべてはみるものの、当然答えも結論も出ずに眠りにつき、そのまま朝が来て、僕は僕の仕事をやっていた。

うまく考えがまとまらない。